議員研修報告 !!


 議会運営委員会:島根県海士町
         行政改革の取り組みについて
 総務常任委員会:長崎市・佐賀市・呉市
         空き家対策の取り組みについて
         まちづくりの取り組みについて
 産業建設常任委員会:熊本県玉名市・合志市・人吉市
           温暖化地域の農業対策の取り組みについて
           グリーンツーリズムの取り組みについて
 教育民生常任委員会:香川県土庄町
           認知症支援の取り組みについて

議会運営委員会

 平成25年7月22日~23日 (1泊2日)、島根県海士町へ委員会視察研修に行きました。

 視察先:島根県海士町       
     行政改革の取り組みについて
  
  

調査結果及び所感

行政改革の取り組みについて

調査結果
 島特有の地縁、血縁を否定したこと(選挙)がすべてのスタートである。町の人口は激減。財政悪化に危機感を持ち「島の未来は自ら築く」ため、生き残るための守りの戦略(大胆な行財政改革)、生き残りをかけた攻めの戦略(地域資源を活かした産業創出)を実行した。
  行革は町民、職員に理解されなくては進まない。町長自ら給与50%カット、これに呼応した特別職、職員、議員、その他役職者のカットが各団体等の補助金返上につながり町民との一体感が生まれる。特に職員の意識改革(年功序列の廃止、適材適所で現場主義)や毎週の経営会議(管理職)では徹底議論、提案がされる。
  「既存の物を壊す取り組み」が全国に報道され、一躍注目される存在になった。
 
  攻めの戦略として地域資源を活かし、産業を興し、雇用の創出につなげる。産業3課が町の玄関口で島の味覚や魅力を島まるごと全国に情報発信している。産業振興のキーワードは「海」「潮風」「塩」の3本柱である。厳しい評価が下される東京で認められなければブランドにならないという考えからメインターゲットは東京である。
  商品開発研修制度は、よそ者の発想と視点で商品化に挑戦している。公共事業で施設を作り、公設民営により「島じゃ常識さざえカレー」「隠岐海士のいわがき・春香」「海士の塩・梅」「干しナマコ」の商品化やCAS技術の海外輸出の成果を出している。
 
所感
 過去2回、山内町長のお話をお聞きしていたので、今回は職員の産業創出課長大江さんから話を伺った。海士町を語る時に山内町長の「島を、人を愛した行政が最大のサービス産業だ」との経営理念が職員、町民に理解されて今に至っていると感じた。
  一にも二にも、山内町長の町を愛し、町の資源を活かし、将来を見据えた町づくりへの強い信念と胆力に敬意を表し、今回の視察が有意義であったことに感謝するものである。


    
    
 
 調査報告書

 個人ごとの研修報告はこちらをご覧ください。(PDF) 

総務常任委員会

 平成25年7月31日~8月2日 (2泊3日)、長崎市・佐賀市・呉市へ委員会視察研修に行きました。

 視察先:長崎県長崎市・広島県呉市       
      空き家対策の取り組みについて
     佐賀県佐賀市         
      まちづくりの取り組みについて

  

調査結果及び所感

空き家対策の取り組みについて

(1)長崎県長崎市:老朽危険空き家対策事業
調査結果
 近年の人口減少と高齢化に加え、長崎市特有の斜面市街地の人口流出により、長年放置され適切に管理されていない空き家が増加している。老朽危険空き家対策事業として、土地・建物を市に寄付できることや解体後の土地の維持管理を地元住民で行えること、所有者が市税を完納していることなどを条件に、行政が撤去・整備を行った後、更地にして公共空間(公園、駐車場、ごみ置き場等)を作り、自治会と協力して安心安全を確保している。
 また、個人で解体する場合、除去費の一部(最大50万円)を補助している。
 除去件数も年々々増加しており、大きな成果を上げている。
所感
 長崎市は、危険家屋を更地にするだけでなく、防災という観点から生活通路の確保、また、自治会と連携して更地の維持管理や公共空間(公園、駐車場、ごみ置き場等)としての活用がされていることも、よく考えられていた。町内にも国・県・関係機関と連携して撤去に取り組むべき危険建物があり、今後も危険な老朽空き家は増加が確実視されている。地元住民と協議しながら安心安全な住環境づくりのため、条例を制定し、体制を構築しておく必要性を感じた。

  

(2)広島県呉市:危険建物除去推進事業
調査結果
 戦前の人口急増に伴い、山の斜面に建てられた住宅には廃屋が多い。空き家再生等推進事業として、個人に30万円を上限に家屋解体費用を補助している。予定の3倍以上の申し込みがあった。

所感
 住民からの苦情が相次ぎ、議会政策研究会で協議し、議会提案で条例制定をした。平成24年度末までの相談件数は229件。指導等により117件と半数しか改善(解体、応急処置)されていないが、市民からの相談に実質数字の成果で応えている姿は見習うべき。町内にも解決しなければならない案件があり、現実的な問題解消が迫られている。町民の安心安全を守りたいという思いは、議会・行政ともに共通のものであり、住民と協調して問題に取り組むべきである。


  

まちづくりの取り組みについて


 佐賀県佐賀市:ユマニテさが  わいわい!!コンテナプロジェクト

調査結果
 「佐賀市街なか再生計画」に基づき、市街地再開発ビルとデパート、歴史文化ゾーン、商店街の4つの拠点を結ぶ空き地数ヶ所に、街中を歩いてもらうための中古コンテナを設置し、交流空間(にぎわい)を創出。自由に遊べる芝生広場やミニ図書館、アンテナショップ、また起業を目指し店舗経営の経験を積む場としての活用もされている。コンテナで商売をしてから、市街地の空き店舗で開業した人も多数いる。

所感
 市がリーダーシップの取れるNPOに委託し、東京で起業している佐賀出身の人材や企業と協力して、地元の大人も子どもも集まれる仕組みを作っていた。中古コンテナ活用や手作りでの芝生張りなど財政負担を少なくし、住民と一緒に取り組み、幅広い世代が憩いの場として楽しんでいることが注目点であった。コナン通りの空き地にコンテナを設置し、賃貸により商売をしてもらい、その後、庁内での企業を促す仕組みづくりを考える必要性もある。



 調査報告書

 個人ごとの研修報告はこちらをご覧ください。(PDF)  

産業建設常任委員会

 平成25年7月10日~12日 (2泊3日)、熊本県玉名市・合志市・人吉市へ委員会視察研修に行きました。

 視察先:熊本県玉名市・合志市       
     温暖化地域の農業対策の取り組みについて
     熊本県合志市・人吉市         
     グリーンツーリズムの取り組みについて

  

調査結果及び所感

温暖化地域の農業対策の取り組みについて

(1)熊本県玉名市:JR九州トマトJr・農園玉名
調査結果
 農業主体:JR九州鉄道営業株式会社
 農地面積:約3ヘクタール
 施設:耐震性連棟ハウス 5棟
 従業員:30名
 
 
~JR九州トマトJrは、こだわりトマトを作っている農園~
 
  1. ポットファム(1鉢ずつ独立したポットで栽培する機械システム)
  2. 安全・安心・エコへのこだわり
    • 二重扉の密閉性が高いハウスのため、害虫駆除の農薬も最小限
    • 独立ポットのため、病気の鉢を間引くことで拡散を防止
    • 土耕栽培ではないので、土の消毒が不要
  3. おいしさへのこだわり
    • 培地量が少ないため、給液制御装置により少量多回数の給液が可能
    • 糖度・酸味とも土耕栽培より高品質
    • 少量農薬のため生食に最適
 
所感
  • 本社に農業推進室を設置し、各地に進出
     本町の基幹産業は農業であり、推進室を設置してはどうか。
  • 観光列車を運行
     本町で実施している「味覚めぐり」を充実させ、回数を増やし、商品化し巡回バスの運行をしてはどうか。
  • 農福連携で、従業員30名中7名の身体障がい者を雇用
     本町でも農福連携について、真剣に検討してはどうか。
 
(2)熊本県合志市:熊本県農業研究センター
調査結果
 熊本農業を拓く、農業技術開発の拠点として、稼げる農業を目指して農業者の所得を最大化するとともに、環境にやさしい農業を目指して新品種の育成・新たな栽培・飼育管理技術の確立などの研究を中心に、熊本県の農業分野における技術革新の拠点・農業情報の発信基地としての役割を果たしている。
 昨年、熊本県の米「森のくまさん」が、平成24年度米の食味ランキングで全国の有名品種を抑え日本一の栄冠をつかんだ。
   
 *「森のくまさん」・・・コシヒカリとヒノヒカリを両親に育った。
    農業研究センター育成第1号の熊本県産オリジナル商品
 
熊本県農業の概要
  • 農業生産の担い手である認定者数は全国3位、基幹的農業従事者は全国7位。
  • 平成22年度の農業生産額は全国5位、平成21年度の農業所得は全国9位。
  • 各品目の生産量は、平成22年は全国1位が5品目(イグサ、宿根カスミソウ、スイカ、トマト、葉タバコ)その他にもデコポン、甘夏ミカンなど全国的にも上位を占める品目が数多くある。
 
所感
 研究機関に力を入れている様子と、職員のやる気・意欲を垣間見ました。
 食味ランキング日本一の栄冠に恥じないよう一層の研さんが必要とのことでした。
 
     

グリーンツーリズムの取り組みについて

(1)熊本県合志市:熊本農業公園カントリーパーク
調査結果
 
 開園 平成3年8月
 敷地面積 約27ha
 スタッフ 17人
 運営 熊本県農業公社
 
建設の理念
  • 県民の農業理解の場の創出
  • 自然緑に親しむ憩いの場の提供
  • 農業情報発信基地の創出
 
  1. 「学習」「遊び」「解放感」の三つの視点から農業への理解が深まるよう配慮されている。また、「食べる」「買う」「触れる」「遊ぶ」などの行動も農業体験の一環となるように、農業館を核として農業公園全体がストーリー性のある展示の場となっている。
    • 「学習」・・・農業館、展示温室、知識の森、フルーツ館
    • 「遊び」・・・わんぱく広場、イベント広場、物産館
    • 「解放感」・・芝生広場、花の広場
  2. 入館者
     平成23年  43万人   平成24年  47万人
  3. 年間の活動状況  
    • 農業体験と食事作り 
    • カンショウ、ラッカセイ、ジャガイモ、トウロモコシ、大根の植付け 
    • カンショウ、ラッカセイの収穫体験 
    • 年2回(5月、10月)の薔薇祭り 
    • 新春凧揚げ大会
    • 植木祭り 
    • 水遊び(7.8月)
    • 小学生の県サッカー大会 
    • コスプレ大会(4,000人)
    • コンサート
 
所感
 北栄町議会からの政策提言「全町公園化」・グリーンツーリズムと関連して検討しては。



(2)熊本県人吉市:人よし球麿地方
調査報告
 熊本県主導で人吉球磨地方にグリーンツーリズムの取り組みを導入した。結成団体は、17軒。農家での民泊や農業体験のみにこだわらず、人吉球磨地方の自然や文化等多様な資源を活用しながら、農家だけでなくいろいろな人が民泊を受け入れている。
  また、会員も農家レストランや地域民芸品工房や温泉施設等多彩で地域発信の様相を呈している。

所感
 グリーンツーリズムの取り組みは、情報発信と新たな農業収入という側面以外にも、交流を通して受け入れ農家の活性化や生きがいの創出にもつながっていると感じた。
  北栄町での事業展開も期待したい。


 

 調査報告書

 個人ごとの研修報告はこちらをご覧ください。(PDF) 

教育民生常任委員会

 平成25年7月31日 (1日)、香川県小豆郡土庄町へ委員会視察研修に行きました。

 視察先:香川県土庄町       
     認知症支援の取り組みについて
      (認知症地域支援体制構築等推進事業)
  
   たくさん勉強させていただきました。
              ありがとうございました。

調査結果及び所感

認知症支援の取り組みについて

調査結果
 人口15,123人(平成22年国勢調査)
 高齢化率33.3%
 
介護保険事業の状況は、サービス利用人数、保険給付費も右肩上がりで上昇し、施設入所は3年待ち、デイサービスは3カ月待ちとなっている。
一人暮らしの方が認知症になると、火の不始末や指定日以外の日にゴミ出しをされるなどの心配がある。また、家族が認知症になると、近所との付き合いや、介護のストレスから虐待に至ってしまうこともある。
このようなことがきっかけで、平成20年度から2年間にわたって「認知症地域支援体制構築等推進事業」に取り組んだ。住民と行政、専門家が協働してまちづくりを進め、準備・計画・周知・実施・評価・報告会の実施までを短期間に推進し、「あったか土庄まちづくりの会」を発足した。
この会は、岩永先生(ヘルスプロモーション研究センター)の指導によるもので、「認知症にならないようにしよう」と頑張っても、なってしまうことがある。「認知症になるとこんなに大変だ」と考えるのではなく、「たとえ認知症になっても、こんな暮らしができる町を作ろう」。そのためには「自分たちの町に何を整えればいいのか。」と知恵を出し合い活動している。
  
所感
 この町で本人、あるいは家族が認知症になっても、いきいきとこれまでと同じような生活を送ることができたり、介護者が心にゆとりを持って介護できることが大切である。北栄町も町民との共同のまちづくりを進めているが、全体の図式におとして、それぞれの役割を明確にし、実践していくことが必要である。

   

 調査報告書

 個人ごとの研修報告はこちらをご覧ください。(PDF)