○北栄町カスタマー・ハラスメント対策要綱
令和8年7月1日
訓令第17号
(趣旨)
第1条 この要綱は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、カスタマー・ハラスメントの防止のための措置及びカスタマー・ハラスメントが生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において、「カスタマー・ハラスメント」とは、職員の職務に係る行政サービスの利用者等(以下「行政サービスの利用者等」という。)からの言動であって、職員が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えるものにより、職員が精神的若しくは身体的な苦痛を与えられ、職員の人格若しくは尊厳が害され、又は職員の勤務環境が害されることをいう。
2 前項の言動には、対面で行われるもののみならず、電話、電子メール、SNS等のインターネット上において行われるものも含まれる。
(所属長の責務)
第3条 所属長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、カスタマー・ハラスメントの防止に関し、必要な措置を講ずるとともに、カスタマー・ハラスメントが生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は、自らも、行政サービスの利用者等として、その職務及び職務外においてカスタマー・ハラスメントを生じさせる言動をしてはならない。
2 職員は、次条第1項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。
3 所属長は、カスタマー・ハラスメントが生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じるとともに、カスタマー・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が職員からなされた場合には、苦情相談に係る問題を解決するため、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(職員に対する指針)
第5条 町長は、カスタマー・ハラスメントに関する問題等に適切に対応するために職員が認識すべき事項について定める指針は、別記のとおりとする。
2 町長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
(研修等)
第6条 町長は、カスタマー・ハラスメントの防止等のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。
2 町長は、カスタマー・ハラスメントの防止等のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。
(苦情相談への対応)
第7条 町長は、カスタマー・ハラスメントに関する苦情相談が職員からなされた場合に対応するため、苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置し、相談員が苦情相談を受ける体制を整備しなければならない。この場合において、町長は、苦情相談を受ける体制を職員に対して明示するものとする。
2 前項の相談員は、総務課長及び総務課総務室職員をもって充てる。
(その他)
第8条 この要綱に定めるもののほか、カスタマー・ハラスメントの対策に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この訓令は、令和8年7月1日から施行する。
別記(第5条関係)
カスタマー・ハラスメントに関する問題等に適切に対応するために職員が認識すべき事項についての指針
第1 カスタマー・ハラスメントに関して職員が認識すべき事項
1 カスタマー・ハラスメントになり得るもの
カスタマー・ハラスメントになり得るものとして、例えば、次のようなものがある。
(1) 言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの
ア そもそも要求に理由がない又は行政サービス等と全く関係のない要求
性的な要求や、職員のプライバシーに関わる要求をすること。
イ 対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求
法令に違反するおそれのある事務の処理を行うことを要求すること。
(2) 手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの
ア 身体的な攻撃(暴行、傷害等)
(ア) 殴る、蹴る、叩く等の暴行を行うこと。
(イ) 物を投げつけること。
(ウ) わざとぶつかること。
(エ) つばを吐きかけること。
イ 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
(ア) 庁舎の物を壊すことをほのめかす発言やSNS等のインターネット上へ悪評を投稿することをほのめかす発言によって職員を脅すこと。
(イ) SNS等のインターネット上へ職員のプライバシーに係る情報の投稿等をすること。
(ウ) 職員の人格を否定するような言動(職員の性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動を含む。)を行うこと。
(エ) 土下座を強要すること。
(オ) 盗撮や無断での撮影をすること。
(カ) 職員の性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報について、当該職員の了解を得ずに他の者に暴露すること又は当該職員が開示することを強要する若しくは禁止すること。
ウ 威圧的な言動
(ア) 大きな声をあげて職員や周囲を威圧すること。
(イ) 反社会的な言動を行うこと。
エ 継続的、執拗な言動
(ア) 同様の質問を執拗に繰り返すこと。
(イ) 当初の話からのすり替え、揚げ足取り、執拗な責め立てをすること。
(ウ) 同様の電子メール等を執拗に繰り返し送り付けること。
オ 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁)
長時間にわたる居座りや電話で職員を拘束すること。
(注) (1)及び(2)のものに該当しなければカスタマー・ハラスメントとならないという趣旨に理解されてはならない。
2 対処の内容
カスタマー・ハラスメントが生じた際の対処の内容の例としては、次のようなものがある。ただし、これらはあくまで例示であって、事案の内容や状況に応じて適切に対処する必要がある。
(1) 職員から所属長等に直ちに報告し、その場の対応の方針について指示を仰ぐこと。
(2) 可能な限り職員を一人で対応させないこと。また、必要に応じて当該職員に代わって所属長等が対応すること。
(3) 行政サービスの利用者等とのやり取りを録音・録画すること。なお、録音・録画に当たっては個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)等を遵守し、行政サービスの利用者等の個人情報を適切に取り扱うこと。
(4) 職員から十分な説明を行った上で、なお繰り返しの要求が続く場合には、一定の時間の経過をもって退去を求めたり、電話を切ったりすること。
(5) 暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
(6) 現場対応が困難な場合においては、総務課へ情報共有を行い、指示を仰ぐこと。
(7) 法的な手続が必要な場合には、弁護士へ相談すること。
3 特に悪質と考えられるものへの対処の内容
職員に対し過度な要求を繰り返すなど特に悪質と考えられるカスタマー・ハラスメントが生じた際の対処の内容の例としては、次のようなものがある。ただし、これらはあくまで例示であって、業務の特性等により必要な対応が異なる場合があることに留意しつつ、それぞれの状況に応じて適切に対処する必要がある。
(1) 暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
(2) 行為者に対して警告文を発出すること。
(3) 行為者に対して庁舎等への出入りを禁止すること。
(4) 民事保全法(平成元年法律第91号)に基づく仮処分命令を申し立てること。
4 留意事項
職員は、カスタマー・ハラスメントに関する次の事項について留意しなければならない。
(1) カスタマー・ハラスメントは、行政サービスの利用者等とのコミュニケーションの不足が原因や背景となって生じることもあること。
(2) 職員が担当する行政サービスをよく理解し、行政サービスの利用者等への対応力の向上を図ることは、カスタマー・ハラスメントの被害者になることを防止する上で重要であること。
(3) 行政サービスの利用者等の権利や、行政サービスが途絶すると行政サービスの利用者等の生命や心身の健康に重大な影響が及ぶ場合等があることに留意して適切に対応する必要があること。
(4) 障害者から職員に対して、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「障害者差別解消法」という。)で禁止されている不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体は、カスタマー・ハラスメントには当たらず、障害者差別解消法に基づき、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないこと。また、同法に基づく「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」に即して、行政サービスの利用者等との建設的対話を重ねるなど、事案に応じて適切に対応する必要があること。
5 関連事項
職員は、その職務及び職務外において、カスタマー・ハラスメントを生じさせる言動のみならず、職員以外の者に対してカスタマー・ハラスメントを生じさせる言動に類する言動を行ってはならないことを十分認識しなければならない。
6 懲戒処分
職員が、その職務又は職務外において、カスタマー・ハラスメントを生じさせる言動を行ったとき又は職員以外の者に対しカスタマー・ハラスメントを生じさせる言動に類する言動を行ったときは、北栄町職員の懲戒処分等の措置に関する指針(令和元年北栄町訓令第8号)に照らし、懲戒処分等に付されることがある。
第2 カスタマー・ハラスメントが生じた場合において職員に望まれる事項
カスタマー・ハラスメントが生じた場合には、その被害を深刻にしないために、問題を自分一人で抱え込まずに、カスタマー・ハラスメントが生じている状況について、所属長等に相談するなどの方法をとることをためらわないことや、各所属内において解決することが困難な場合には、総務課又は外部の相談機関に相談する方法を考えることが大切である。