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(令和4年3月7日)

 本日、ここに令和4年3月定例会を招集し、令和4年度当初予算を初めとする諸議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の令和4年度の町政運営に臨む所信の一端と重点施策の概要について御説明申し上げ、町民の皆様並びに議員の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 令和2年から続く新型コロナウイルス感染症は、引き続き生活や経済に深刻な影響を与えています。

本町においても、先月のこども園でのクラスター事案の発生や夏の北栄砂丘まつりの中止、青山剛昌ふるさと館の入館者など観光客の減少、事業所の売上の減少など大きな影響が続いております。

 その一方で、社会の変化の兆しも現れています。国においては、デジタルを生かした地方や産業の活性化、こども庁の創設、脱炭素など、持続可能で全てのひとが生きがいを感じられる社会へと舵をきる流れが生まれています。

 本町においてもすいか・ながいも健康マラソン大会や成人式のオンライン開催、スマート農業の導入、学校でのGIGAスクールの進展、民間主導での地域新電力会社の設立など新たな流れが生まれています。

 私は、昨年10月に「持続可能なまちづくり」を掲げ、多くの町民の方のご支持をいただき、町長に就任しました。

 これまで、短い期間ではありますが、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に進めながら、町政運営の指針である「北栄町第2次まちづくりビジョン」の推進に努めてまいりました。

 令和4年度におきましても、新型コロナウイルス感染症対策の着実な実施、産業の振興による稼ぎ・にぎわう地域づくり、子育て支援や生涯学習の充実、住み慣れた地域でいつまでも暮らせる福祉の充実や健康寿命の延伸、災害につよいまちづくりなど、社会の変化に対応した「持続可能なまちづくり」を力強く進めていく所存でございます。


 それでは、「北栄町第2次まちづくりビジョン」の目標に沿って令和4年度当初予算等における主な取組について申し上げます。

「新型コロナウイルス感染症対策」

 感染拡大防止のための予防接種につきましては、1市4町での共同接種体制と、全庁体制による集団接種を実施し、町民の期待に答えられるように努めます。5歳から11歳のワクチン接種についても同様に1市4町の共同接種体制のなかで、希望される方が速やかに接種できるように努めます。

 新型コロナウイルス感染症により深刻な影響を受けた農家や事業者の皆さんを支え、持続可能とするために、米価下落にともなう減収への支援や、事業者の事業継続にむけた新型コロナウイルス感染症対策融資の利子への支援を行ってまいります。

 なお、「すいか・ながいも健康マラソン大会」につきましては、昨今の新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し令和3年度同様リモートによる開催といたしました。

 町の施設や各種行事等における感染拡大防止対策などにも引き続き、取り組んでまいります。

「地域資源で稼ぎ賑わうまちづくり」

農林業の振興

 農林業の振興のうち、本町産業の中心であります農業の振興につきましては、令和3年度から整備を進めている長芋・西瓜選果場の改修工事をはじめとして、各品目の生産拡大に向け、園芸施設整備や機械導入に対して生産者を支援するとともに、将来にわたって持続可能な地域農業を実現するために、新規就農や後継者への支援を県・JA等と連携して取り組んでまいります。

 併せて、生産者の主体的なやる気を応援するため、生産の効率化や規模拡大などの取り組みを支援してまいります。大栄西瓜や北条ぶどうをはじめとした本町自慢の農産物の魅力を有効に発信するために、販売促進・販路開拓等の取り組みを積極的に支援してまいります。

 次に、農業用水利施設につきましては、令和3年7月豪雨災害により被災したため池をはじめ、農地・農道などの復旧を着実かつ迅速に進め、営農の回復を図ってまいります。

 また、防災上の対策が必要なため池について利用実態に応じて廃止も含めた対策をとる事業に着手してまいります。

 関係機関との連携のもと、農業用利水施設の適正な管理に努め、農業用水の安定利用を推進してまいります。また、農業が持つ多面的な機能を将来にわたり発揮していくために、引き続き各集落における農地・水保全管理事業を支援して、町内の農地、水路等、地域資源の保全管理を後押してまいります。

 近年、被害が拡大しているイノシシなど有害鳥獣による農作物被害防止につきましては、北栄町鳥獣被害対策実施隊と連携して積極的に捕獲を支援してまいりますとともに、ジャンボタニシの被害が拡大している地域では、水口ネットによるほ場への侵入防止や、浅水管理による食害の軽減、薬剤による防除を支援してまいります。

 「健全な森林をつくる」ための森林管理につきましては、砂丘地の松林及び防砂林の松において、特に平成2年度から松くい虫による大きな被害を受けており、防除・伐倒駆除・再生の視点を踏まえながら、将来に向けて有効な対策を検討し、県と協調したうえで本町の砂丘地農業を飛砂防止と景観保持の観点からしっかりと守ってまいります。

商工業の振興

 商工業の振興につきましては、北栄町商工会と連携し、企業訪問でのニーズ把握や商工行政懇談会での意見交換を踏まえ、コロナ後を見据えた経済の好循環を生み出す効果的な施策につなげてまいります。

 商工会が運営事業者となっています「ほくほくカード」事業では、町民の健康づくりや地域福祉活動、行政活動の参加のきっかけになることを目的に、ポイントを付与して活力あるまちづくりをすすめるとともに、町内における地域内循環の拡大を図ってまいります。

観光の振興

 観光の振興につきましては、「名探偵コナンに会えるまち」として、賑わいを創出し、魅力ある観光地づくりを柱とした観光振興を進めてまいります。

 観光業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、大きな打撃を受けております。引き続き、感染対策を十分に行い、感染状況を確認しながら誘客を進め、コロナ後を見据えた取組を進めてまいります。具体的には、青山剛昌ふるさと館の出合いの広場(旧鳥取県運転免許試験場跡地)への移転新築を目指し、基本計画の策定に取組んでまいります。  

 また、コナン通り周辺では、新たなカラーオブジェの設置など修景整備を進め、観光客の満足度向上に取組んでまいります。

 そして、まんがのまちづくりへの理解を深めていただくため、町民向けの研修会の実施やふるさと館の町民無料DAYの実施、観光協会、商工会と連携した情報発信の強化に取り組んでまいります。

 「道の駅 北条公園」の再整備につきましては、令和7年4月の開業を目指して、これまでに集約した町民のみなさんや議会のご意見をふまえた基本設計をベースに、一体型整備の実施主体となる国交省と連携して実施設計を進めてまいります。

「生涯学び未来を育てるまちづくり」

 未来を創る教育の推進及び子育て支援の充実につきましては、教育大綱における基本目標も踏まえ、各種事業を展開してまいります。

子育てなら北栄町

 「子育てなら北栄町」といたしましては、地域をあげて子育てを応援するまちづくりにむけ、新たにお子さんが生まれたご家庭に5万円相当のほくほくカードポイントを進呈し、経済的負担の緩和と、地域の商工業とのつながりづくりを行うとともに、子育て支援の一体的な取り組みに向けた体制の検討をおこなってまいります。

 妊娠期、出産期にはネウボラ事業を通じた相談活動やサポート事業を行い、未就園の乳幼児期の子育て家庭に対しては子育て支援センターでの交流活動や体験教室を通じて、子育てに対する不安解消と負担感軽減に引き続き取り組んでまいります。

 なお、不妊治療費助成については、1年以上の住所地要件を撤廃し、北栄町に住んでいる方すべてに助成できることとしました。

 また、子どもたちが健やかに成長していくために、乳幼児期の発達支援や食育をこども園や学校と連携しながら進めてまいります。

 出産時の聴覚検査を助成し、すべての新生児に受検していただくように働きかけるとともに、3歳児健診の視覚検査において新たに屈折検査を実施することで、早期の治療につなげます。

 町立こども園につきましては、発達段階に応じたきめ細やかで連続する保育・教育の推進に取り組んでまいります。また、園によっては老朽化が進み修繕箇所が散見する施設もございますが、適切な修繕工事等を行いながら保育施設としての適切な環境の維持に努めてまいります。

 このほか、子育てと仕事の両立支援として延長保育、病児・病後児保育、休日保育、放課後児童クラブなどの保育サービスを実施してまいります。

教育なら北栄町

 「教育なら北栄町」といたしましては、学校教育では、国、県に先駆けて小学校全学年で30人の少人数学級に取り組みます。学習面ではリーディングスキルテストなどの各種診断テストを通じて確認される課題を授業内の指導に活かしていく取組を継続します。GIGAスクール構想においては、eラーニング教材の利用対象を小学3年生以上に拡大するなど、ICTを活用した授業の充実による教育力の向上を図ってまいります。

 特別支援教育につきましては、就学前の早い年齢段階からの必要な支援体制を充実してまいります。就学時の確実な移行支援を行い、学校段階におきましても、学習支援員の配置、通級指導教室の実施により一人一人の発達に応じたきめ細やかな指導と支援を実施してまいります。

 学校施設の整備につきましては、北栄町学校施設長寿命化計画に基づき大栄中学校体育館屋根等改修工事を実施します。

 学校以外での学力向上の取組につきましては、英語検定受験料の助成対象を小学生にも広げ、小学生段階での外国語学習を推進します。

 学校と地域が協同して子供たちを育んでいくコミュニティ・スクールにつきましては、北条・大栄の両中学校区で始動した協議会の活動の定着と充実を図ってまいります。

 また、町内の教育機関や教育資源の活用につきましては、フリースクールが行う不登校対策への利用料助成や、長期休業中の学習指導の場の設定、生活困窮世帯への学習支援など、連携して実施してまいります。

住み続けるなら北栄町

 「住み続けるなら北栄町」といたしましては、「学校・家庭・地域連携協力推進事業」としてNPO法人まちづくりネットが取り組んでいる子どもほくえい塾の充実に対する支援や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって開催できなかった「通学合宿」を再開し、これらを通じて地域ボランティアや家庭との連携関係を再構築します。

 また、中央公民館大栄分館の再整備については、町民参加型で進めることとし、令和4年度から実施するまちづくり町民講座「ほくえい未来ラボ」において町民のみなさんに、課題の検討と解決に向けた提案を行っていただくこととします。

 図書館については、町民に広く愛され、何度も訪れたくなるような居心地のよい図書館を目指します。町民アンケートによる多様な意見の反映や、利用者によるワークショップなどの実施により、さらなる利用促進と魅力向上を図ってまいります。

 また、北栄みらい伝承館を核として、町内の古墳群や遺跡から発掘された貴重な文化財のほか、砂丘開拓の歴史、倉吉博物館との連携展示などを企画・展示し、郷土史や魅力を身近に感じ学び、まちに愛着を持てる取り組みにつなげます。このほか、「文化の薫るまち 北栄町」の機運醸成を図るため、北栄町美術展をはじめ、北栄文化回廊や公民館まつりなど、年間を通した取組を進めてまいります。

スポーツの振興

 次に、スポーツの振興につきましては、スポーツ推進委員や北栄スポーツクラブと連携し、町民の健康づくりと運動能力の向上、生涯スポーツの推進につとめます。

 地域を支える人材育成といたしましては、鳥取中央育英高等学校との連携により「地域探究の時間」に引き続き取り組み、地域への愛着を育てるとともに、調査研究やプレゼン能力を身につける等、将来、地域に貢献する志の高い人材の育成を目指してまいります。鳥取大学との連携では、地域課題の発掘、解決に向けたアイデアを生み出す取組を支援してまいります。

「誰一人取り残さないまちづくり」

 

人権教育の推進

 人権教育の推進につきましては、令和4年度は「第3次北栄町人権を尊重する町づくり推進計画」の見直しの年であり、さらなる人権教育、人権推進の充実に努め、「個性を認め合い 互いの心に寄り添う町」の実現に向け、計画の見直しと、関係機関と連携した取組を進めてまいります。

 また、人権教育推進の拠点となるほくほくプラザ(人権文化センター)の省エネ改修に加えて、課題を抱えた子どもの「第三の居場所」としても整備を進め、「誰一人取り残さない」SDGsの基本理念を実現してまいります。

福祉の充実

 福祉の充実のうち、地域福祉の充実につきましては、住み慣れた地域で、いつまでもいきいきと暮らすことができる北栄町を築くために、「みんなで 支えあい 笑顔で共に暮らすまち 北栄町」という地域共生社会の実現を基本理念として、令和2年に策定した北栄町地域福祉推進計画を補完する形で、令和3年度中に策定する「重層的支援体制整備事業実施計画」と「成年後見制度利用促進計画」に沿って、地域福祉の充実に向けた具体的な取り組みを積極的に推進してまいります。

 高齢者福祉の充実については、第8期北栄町介護保険事業計画・高齢者福祉計画のもと、計画に盛り込みました地域包括ケアシステムの構築のための重点取り組み事項である、在宅医療・介護連携、認知症施策、地域ケア会議、生活支援・介護予防サービスの体制整備をさらに推進します。

 特に、認知症対策については、国の「認知症施策推進大綱」を踏まえ、認知症初期集中支援チームによる早期診断・早期対応に向けた支援対策を引き続き進めていくほか、認知症サポーターを増やす取り組みや、認知症カフェの利用を推進し、認知症の方や家族、介護者が気軽に集える居場所として定着させ、認知症への理解を深め、気軽に相談できる場ともなるよう、引き続き取り組んでまいります。

 また、障がい者福祉の充実につきましては、「北栄町障がい者計画」のもと、「北栄町障がい福祉計画」・「北栄町障がい児福祉計画」に基づき、障がい者に対する施策や、障がい福祉サービスの提供体制の確保、業務の円滑な実施を進めてまいります。

健康づくりの推進

 健康づくりの推進につきましては、第3次健康ほくえい計画に基づき健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいります。

 新型コロナウイルス感染症感染拡大等を受け、健康診査、がん検診などの受診率の低下や、健康講座の開催が低調となるなどの影響がみられます。健康フェスタの開催や、各自治会に健康講座を働きかけることで、地域に根差した健康づくりを展開するとともに、運動の推進、食生活など生活習慣の改善の取組を強化します。

 さらに、疾患の早期発見、早期治療につなげるため、感染対策を取りながらセット健診や休日健診など健診、がん検診を受診しやすい環境に整えるとともに、効率的、効果的な受診勧奨を行ってまいります。

 病気の早期発見予防のため人間ドックの助成を70歳の方までおこなうとともに、糖尿病性腎症をはじめとした生活習慣病重症化予防のための保健指導を推進してまいります。

 男女共同参画社会の推進につきましては、第4次男女共同参画基本計画に基づき、性別にとらわれることなく一人ひとりが社会のあらゆる分野において個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現に向けて、取組を推進してまいります。

「安全で持続可能なまちづくり」

環境にやさしいまちづくりの推進

 環境にやさしいまちづくりの推進につきましては、「北栄町気候非常事態宣言」に基づき、2050年までに北栄町におけるゼロカーボンを達成するため、また2021年に国が決定した2030年までにCO2を46%削減する目標に向け、北栄町の特性に合った脱炭素ロードマップを作成し、現在進めている公共施設や住宅の省エネルギー化の推進、再生可能エネルギーの導入推進、環境にやさしいライフスタイルへの転換などの取組がより浸透するように進めてまいります。

 2月に民間企業を中心に地域新電力会社が設立されました。エネルギーの地産地消の促進が、地域の脱炭素、地域内経済循環、安心安全なまちづくりにつながるよう連携してまいります。

 ごみの減量化と適正処理につきましては、リサイクルだけでなく、「断る」「減らす」「再利用」することによるごみの発生抑制、特に食品ロスや使い捨てプラ容器の削減の必要性や新たに分別収集する「有害ごみ」について、町民の理解を深め、実践につなげることができるよう、取り組みを進めてまいります。

交通基盤の整備・維持管理などインフラの整備

 交通基盤の整備・維持管理などインフラの整備につきましては、通学路の安全確保や浸水対策の必要な町道を社会資本整備総合交付金事業により計画的に整備してまいります。それ以外の町道や橋梁等につきましても、損傷の程度を随時把握し、計画的に修繕してまいります。

 なお、山陰道北条道路、地域高規格道路北条湯原道路につきましては、引き続き一般国道9号「北条道路」整備促進期成会などの活動を通して国・県に早期完成に向けて要望してまいります。

 地域の公共交通につきましては、高齢者を中心とした交通弱者の生活支援対策として実施しておりますタクシー利用料助成事業は、利用者も多く、様々な生活支援に十分に繋がっておりますが、お店等があるところまで遠く、個人負担が多くなるため、これまであまり利用することが出来なかった方たちのため、町内に限って定額で利用できる助成券を、新たに交付するように事業を拡大し、実施してまいります。

 また、人口減少や少子高齢化等に加え新型コロナウイルス感染症の影響でバス利用者が減少しておりますが、地域住民の生活に必要なバス路線等の維持に取り組んでまいります。

 生活に必要な移動手段の確保として、住民が楽しみながら助け合い活動として実施する「共助交通」の取組みをすすめるため、広く住民の皆さんを対象にした共助交通に関する勉強会を実施するとともに、実際に取組みたい方やグループに対して、助言者の派遣など、活動の立ち上げ支援を行います。

そのほかに、令和5年に由良駅について、JRから譲渡を受ける予定でございます。駅での観光案内機能のさらなる充実のため、駅舎の改修工事を令和5年度に実施するための設計に着手したいと考えております。

上下水道の整備、維持管理

 次に上下水道の整備、維持管理についてでございます。水道事業につきましては、今後も安定した配水と安全な水道水を提供するため水道ビジョンの作成を進めるとともに、老朽管の布設替え工事や水源地等の施設管理を着実に実施してまいります。

 下水道関連事業につきましては、効率的な事業運営を目指して北条島地区に整備していた農業集落排水施設を公共下水道に接続するため、設計業務を進めてまいります。

情報化の推進

 情報化の推進につきましては、国が進める自治体の情報システムの標準化、共通化など自治体DXの推進計画を策定し、これを基にデジタル社会の構築に向けた取組を進めてまいります。

安全なまちづくりの推進

 安全なまちづくりの推進につきましては、令和3年度、B&G財団の支援を受け災害資機材の導入や防災倉庫の設置、避難所訓練などをすすめておりますが、令和4年度におきましても資機材の操作研修・訓練等を行い、事業の目的である防災拠点の整備・充実を進めます。

 このほか、備蓄品の整備、防災士の養成、自主防災組織の育成などにつきましても、引き続き、取組みを進めてまいります。

 また、災害に強い住環境を整備するために、住宅等の耐震化のための耐震診断及び耐震改修やブロック塀の除却を行った場合の支援を継続してまいります。

 空き家対策といたしましては、引き続き北栄町空家等対策計画等に基づき倒壊のおそれのある危険な空き家等に対し適正な指導を行うとともに、除却を推進し、安心安全な地域づくりを推進してまいります。

 そのほかに由良川、北条川の維持管理や北条川放水路工事に伴う地盤沈下対策、海岸の侵食対策、県道の維持管理についても県に強く要望してまいります。

「人と人とのつながりを育むまちづくり」

町民参画の推進

 町民が主役となり、持続可能な地域づくりを行うための町民参画の推進につきましては、新たに町民自らが、町の課題解決を学ぶ「ほくえい未来ラボ(北栄町の未来を創る研究所)」を立ち上げます。令和4年度は、中央公民館大栄分館の建て替えをテーマに試験的に実施し、今後はテーマを変えながら、様々なまちづくりの課題等について町民参画を実践してまいりたいと考えております。

 北栄町自治基本条例に基づく開かれた町政運営とするため、町報やホームページ、SNS等を活用し積極的な情報提供に努め、地域の皆様の自主的な地域振興活動を支援するなど住民参画とコミュニティー活動を推進し、町民、事業者、コミュニティー、行政それぞれがお互いの理解と信頼関係の下で協働によるまちづくりを推進してまいります。

交流の推進

 交流の推進につきましては、友好交流協定を締結しております台湾台中市大肚区と滋賀県湖南市との交流では、更なる交流を進め、東京都港区をはじめ他の自治体のとの交流では地域間連携の強化図り、交流人口の拡大を目指します。

 国内外交流とも、新型コロナウイルス感染症の影響により事業実施が難しい状況ですが、感染状況を確認しながら事業を進めてまいります。

移住定住の推進については、「北栄町に住みたい!」「住み続けたい!」「ふるさとを大切にしたい!」と思っていただける支援を行い、移住・定住を推進します。

 引き続き、移住奨励金や住宅を取得する若者の支援などに取組んでいくほか、オンラインも活用した移住相談を行い、北栄町の魅力のPRや移住に結び付く具体的な提案を移住者に向けて発信してまいります。

 また、新たな取り組みとして、「ほくえい魅力発見!事業」を実施いたします。特に町内の小・中・高生を中心に、北栄町の魅力を発見していただき、将来、北栄町に「住みたい!」「Uターンしたい!」「ふるさとを大切にしたい!」と思っていただけるよう、北栄町を好きになっていただく、知っていただく機会を創出いたします。

「健全な財政運営」

行財政改革の推進

 行財政改革の推進につきましては、国が進める自治体の情報システムの標準化、共通化など自治体DXの推進計画を策定し、デジタルを活用した業務の効率化・省力化を図ってまいります。

また、DXを中心とするデジタル社会の構築につきましては、その効果が役場のみならず、まち全体に広がっていきますように外部人材の活用も含め、体制の構築を図ってまいります。

歳入確保に向けた取り組み

 歳入確保に向けた取り組みでございます。自主財源の柱となる町税につきましては、適正、公正な課税を行い、信頼される税務行政のため高度な徴収体制の維持、向上に努めてまいります。

 ふるさと納税につきましては、年々金額が増加し、財源としての重要性も拡大しております。返礼品の充実などにより自主財源の確保に取り組んでまいります。

 また、北条風力発電所につきましては、安全性と収益性の確保に向け、丁寧な管理に努めてまいりますとともに、風のまちづくり事業として発電により生じた収益の一部を積み立てた基金から5,000万円を繰り入れし、公共施設の照明のLED化や家庭用太陽光パネルへの助成、防犯対策事業などの財源として充当し、町民の皆様へ還元してまいります。

 行政改革事業の一環として取り組んでおります北条支所窓口業務と庶務業務の民間委託につきましては、引き続き実施することとしております。また、AI・RPAの活用を推進し、事務の効率化を図ってまいります。

 過疎対策事業債につきましては、国の財政措置のある有効な財源として、必要となる事業に有効に活用してまいります。


以上、令和4年度の主な取組を御紹介いたしました。

 

 

 北栄町まちづくりビジョンの目標に沿った施策を積極的に展開し着実な成果を上げることにより、町民の皆様と共に「人と自然が共生し確かな豊かさを実感するまちづくり」、そして「持続可能なまちづくり」を推進してまいります。