認知症はどんな病気?
認知症は脳の老化や脳血管障害など脳の障害によって、もともとあった知的・精神的な能力が低下し、過去の事は覚えていても最近の体験をそっくり忘れる記憶力の障害、筋道を立ててものを考えることや判断ができなくなる判断力の障害、時間や日付、場所などが分からなくなる認知の障害などで日常生活が困難になります。
認知症と加齢による物忘れはちがうの?
次のように異なります。
認知症による物忘れ |
加齢による物忘れ |
すぐ前の出来事が思い出せない。覚えられない。 |
覚えていたことが出てこない。いわゆる「ど忘れ」。
後になって思い出す。 |
ヒントをあげても思い出せない。 |
ヒントを出すと思い出せることが多い。 |
日常生活に支障がある。 |
日常生活に支障がない。 |
認知症はどうして起こるの?
認知症を起こす病気はたくさんありますが、代表的なものにアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症があります。アルツハイマー型認知症は老年期認知症の約50%を占めます。
原因は、はっきりしていませんが脳が萎縮してゆっくりと症状が進行します。脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などが原因で起こる脳の障害です。
認知症の治療はどうするの?
認知症も早期発見、早期治療やケアを受ければ、症状を軽減したり、ある程度は悪化を防ぐことができます。また、認知症状を示す別な病気があることもあります。
「身なりを気にしなくなった」「外出や人に会うことをおっくうがる」「好きだったことへの関心がなくなった」
「怒りっぽくなった」「日付がわからなくなった」など初期の認知症のサインが見られたら、相談や受診をしましょう。
病院によっては、「ものわすれ外来」を開設している病院もあります。地域包括支援センターでも相談できます。
どう対応すればいいですか?
認知症は記憶障害が進むと、日常生活が困難になったり、言葉で意志を表現しにくくなり、周囲に対して不安を抱いたり、焦燥感や怒りを感じやすくなります。ただ、できることや感情、その人らしさは残っています。
接し方のポイントは、話をよく聞く、役割ができるよう支援する、やさしく接する、怒らない、否定しない、さびしくさせないなどです。
認知症は予防できますか?
認知症の原因は様々ですが、脳血管障害を原因とする脳血管性認知症もあります。脳血管障害の原因による高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病を予防しましょう。
また、認知症の発症や進行には、不活発な生活習慣が影響するといわれています。運動習慣のある人は発症率が低いことがわかっています。
適度に体を動かしましょう。日記や読書、趣味、ボランティアなど活動的な生活で脳を活性化しましょう。