施政方針全文


(令和6年3月6日)

本日ここに令和6年3月定例会を招集し、令和6年度当初予算をはじめとする諸議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の町政運営に臨む所信の一端と重点施策の概要について御説明申し上げ、町民の皆様並びに議員の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 私は、町長就任以来、「持続可能なまちづくり」を掲げ、町政運営の指針である北栄町まちづくりビジョンの実現に取り組んでまいりました。

 また、デジタル技術や関係人口の活用といった、新たな手法を取り入れるとともに、新型コロナウイルス感染症や、物価高騰など、ビジョン作成時には想定されていなかった諸課題への対応にも積極的に取り組みを進めてまいりました。

 新型コロナウィルス感染症の5類移行後、町に着実に賑わいが戻ってきています。北栄砂丘まつりや青山剛昌先生と話そうDAYも大変な賑わいを見せました。コナン通りを歩く観光客の往来も順調に回復するとともに、連載30周年を迎え、「名探偵コナンに会えるまち北栄町」への期待も高まっています。

 私は、昨年度「未来への投資」を掲げ、将来の町民の幸福や持続可能な豊かさの実現に向けた投資を進めてまいりました。

 北栄町は、今後数年間にわたり大きな変化の時期を迎えます。令和7年度には道の駅ほうじょうがリニューアル、令和8年度には、待望の山陰道の町内区間が開通予定であり、令和9年には青山剛昌ふるさと館の新築移転を見込んでいます。

 一方で、この1月1日の令和6年能登半島地震、地球温暖化による災害の激甚化、ここ数年来の諸物価の高騰や担い手不足から生じる様々な問題など、地球環境や国際情勢、社会の急激な変化は町民の安全、安心や暮らしに大きな影響を及ぼしています。

 令和6年度は、先に掲げたような町を取り巻く変化に対応し、町民の暮らしを守り、もしくは機会としてとらえて町民の持続可能な豊かさの実現を図る「変化を豊かさに」を掲げ、町政の運営を行ってまいります。

 1つには、甚大な被害をもたらした令和6年能登半島地震を踏まえた、地域の防災力の強化です。高齢者にも普及が進むスマートフォンを活用し、どこにいても防災情報など町からの一斉放送が即時に伝わる仕組みを整備します。また、道の駅ほうじょうについて、備蓄の強化など防災機能の充実を図ります。県の広域防災拠点化構想については県の方針をよく吟味し、町民にとっても最善のものとなるよう協議を進めてまいります。

 2つには、道の駅ほうじょう、山陰道、青山剛昌ふるさと館を町民の豊かさの実感や持続可能なまちづくりにつなげる仕組みづくりです。町民の生活満足度調査を実施するとともに、ほくえい未来ラボを通じて、今後のまちづくりへの町民の参画を進めていくとともに、変化する北栄町の魅力を県内外の事業者などに発信し、雇用やくらしの利便性を高める事業所などの誘致を図ってまいります。

 また、道の駅ほうじょうで、北栄町の誇る農産物などをさらに魅力的な商品として販売できるよう、商品造成などの支援を行ってまいります。

 3つには、激変する社会情勢などから、住民の暮らしを守る取り組みです。国が進める物価高騰に対する住民税非課税世帯等への給付については遅滞なく実施してまいります。

 また、本町においても一人暮らしの高齢者世帯が増加していることから、デジタル技術を活用した新たな見守りの普及を図ってまいります。

 脱炭素社会の実現においては、高い環境基準を満たす住宅の普及に向けて支援の充実を図るとともに、軟質プラスチックの回収などの取組を進めてまいります。

 また、医療機関の誘致や買い物が困難な地域への店舗誘致や移動支援についても引き続き注力してまいります。

 4つには、北栄町の未来を担う子どもたちの健やかな成長を支える取組です。県と連携し、不登校児童・生徒を支えるため、校内教育支援センター(いわゆるスペシャル・サポート・ルーム)を設置するほか、スクールソーシャルワーカーの増員を図るなど、よりきめ細やかな支援を行ってまいります。

 給食について諸物価の高騰により、原価が保護者の負担額を上回る状況が続いておりますが、令和6年度においては、保護者の負担が現在より増加することがないよう支援を行ってまいります。

 また、県と連携し、こどもの医療費の無償化について取り組んでまいります。

 鳥取中央育英高校については、引き続きその魅力化を図るとともに、学生のみなさんに活動の場づくりや店舗などの利用を通じてより北栄町に愛着を持っていただくための取組を行ってまいります。

 以上、取組の重点について申し上げました。その基本は、まちづくりビジョンに掲げる町の将来像「人と自然が共生し 確かな豊かさを実感するまち」の実現であります。令和6年度においても引き続き、まちづくりビジョンの推進による持続可能なまちづくりを力強く進めていく所存です。

 

 それでは、第2次北栄町まちづくりビジョンの部門別計画に沿って令和6年度当初予算等における主な取組について申し上げます。

 最初に、「地域資源で稼ぎ賑わうまちづくり」について申し上げます。

 まず、農林業の振興です。本町の基幹である農業の振興については、生産者のみなさんの声を聴きながら、大栄西瓜や長芋・ねばりっこ、らっきょう、そして北条ぶどうをはじめとした本町自慢の農産物の産地活性化に向けた取組を進めてまいります。

 持続可能な産地づくりに向けて、県・JAのほか生産組織とも連携し、後継者や新規就農者の確保に取り組むとともに、国、県の支援制度を活用し園芸施設整備や機械導入等を進め、生産の効率化を図ってまいります。

 また、本町自慢の農産物の魅力を広く発信し、販売促進や販路開拓等につなげてまいります。

 農業、農村が持つ多面的な機能の保持のために、各集落における農地・水保全管理事業を支援するとともに農業用水利施設については、関係機関との連携のもと、適正な管理に努め、災害の防止を図り、安定利用を進めてまいります。

商工業の振興については、企業訪問や商工行政懇談会等を通じて把握した事業者のニーズやご意見を踏まえ、経済の好循環を生み出すための施策につなげてまいります。

 道の駅ほうじょうのリニューアルオープンをはじめ、山陰道の全線開通、青山剛昌ふるさと館の新築移転などで生まれる新たな人の流れを活かし、小売業・宿泊業をはじめとした企業進出や創業の機運を醸成し、地域が稼ぎ賑わう環境の創出を図ってまいります。    

 事業者の抱える個別の経営課題の解決については、引き続き、都市部人材が持つノウハウを複業などを通じて有効に活用できる体制を構築してまいります。

 ほくほくカード事業については、商工会と連携し、経済の地域内循環やポイントの付与を通じた、町民の健康福祉や行政活動への参加を後押ししてまいります。

 道の駅ほうじょうについては、令和7年4月の開業に向け、国交省と密に連携しながら施設整備を進めるとともに、指定管理者と町内生産者並びに事業者とのマッチングを進め、新たな町の交流や賑わいの拠点となるよう事業を進めてまいります。

観光の振興については、出会いの広場での青山剛昌ふるさと館の令和9年オープンを目指し、地質調査を進めてまいります。

また、令和6年1月に漫画「名探偵コナン」が連載30周年を迎えたことから、青山剛昌ふるさと館で名探偵コナン連載30周年特別展覧会を開催し、合わせてコナン通りでも観光協会、商工会と連携した取組を行います。

そのほか新たなカラーオブジェを設置するなどコナン通りの修景整備を行い、観光地として成長を続け、魅力ある観光地づくりに取り組みます。

 続いて、「生涯学び未来を育てるまちづくり」について申し上げます。

未来をつくる教育の推進については、教育大綱における基本目標も踏まえて事業を展開してまいります。

教育環境の充実については、タブレット端末をはじめとするデジタル機器を活用する授業を定着させ、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の双方の充実による学力の向上を目指します。

特に英語学習では、学習理解を深めることや英語に親しむきっかけづくりにつながるよう、民間事業者のノウハウも取り入れながら生の英語に触れる機会を拡充してまいります。

また、不登校対策として、中学校1校に新たに不登校児童生徒の居場所となる「校内教育支援センター」を設置し、支援の充実を図ってまいります。

発達特性や医療的ケアなど、支援を必要とする子ども達へは、一人ひとりの状況に応じて最適な支援ができる体制を充実してまいります。

学校給食では、食材の購入価格の高騰が続いておりますが、令和6年度においてはこの増額分は町が負担することとし、保護者の負担の緩和を図ってまいります。

施設整備では、学校施設長寿命化計画に基づき大栄小学校で大規模改造工事を実施します。

 地域を支える人材の育成については、家庭や地域の教育力の向上に向け「家庭教育12か条」や「あいさつ運動」を推進するとともに、地域学校協働活動の充実を図ってまいります。

 地域探究を通して将来を担う人材を育成する鳥取中央育英高校の存続に向け、高校、県教委、地域と連携し高校の魅力化を進めてまいります。引き続き高校魅力化専門員を配置し、地域との連携や中学生との交流を進め、将来の進路に接続できるような学びと探究の充実を図ってまいります。

 生涯学習活動の推進については、中央公民館において仲間づくりや生きがいづくりなどの講座を開催し、町民の教養の向上を図ってまいります。また、出前講座についてもニーズに沿った講座となるよう充実に努めてまいります。

図書館では、読書の推進はもとより、幅広い世代の人が集い交流できる「地域とつながる図書館」、気軽に何度でも訪れたくなるような「居心地のよい図書館」を念頭に置き、町民主体のプロジェクトも継続し、魅力化を図ってまいります。

 また、中央公民館大栄分館の建替えについては、ほくえい未来ラボでの提案を取り入れながら、新たな学びと交流、防災の拠点として基本設計等に着手します。

 子育て支援の充実については、妊娠期や出産期における面談を充実させ、必要な支援サービスへ確実につなげでいくとともに、子育て支援センターの利用を進め、妊産婦が子育ての中で孤立しないような環境づくりを進めてまいります。

 また、出産時のほくほくカードポイントの給付や、小中学校の入学時の祝金給付により、子育て家庭の経済的負担の軽減を図ってまいります。

 子育てと仕事の両立支援です。

 町立こども園については、発達段階に応じたきめ細やかで連続する保育・教育の推進に取り組むとともに、適切な修繕工事などを行いながら保育施設としての良好な環境の維持に努めてまいります。

 また、園の業務改善を進め、保育の質の向上を進めるとともに、延長保育、病児・病後児保育、休日保育、放課後児童クラブなどの保育サービスを適切に実施してまいります。

 文化・芸術の振興については、「文化の薫るまち北栄町」として北栄町美術展をはじめ北栄文化回廊や公民館まつりなどを開催します。特に令和6年度は北栄町美術展が20回目となることを記念して、北栄みらい伝承館で企画展を開催することとしています。

 次に、スポーツの振興については、令和6年度は鳥取県が全国健康福祉祭「ねんりんピック」の会場となり、北栄町では、ソフトテニス交流大会を開催します。例年開催するすいか・ながいも健康マラソン大会とともに、全国各地からいらっしゃる参加者に喜んでいただける大会となるよう努めてまいります。

 また引き続き北栄スポーツクラブやスポーツ推進委員が取り組んでいる様々な事業を後押しすることにより、町民の健康寿命延伸につながる活動を推進してまいります。

 次に、「誰一人取り残さないまちづくり」について申し上げます。

 人権教育の推進については、「個性を認め合い 互いの心に寄り添う町」の実現に向け、関係機関と連携した取組を進めてまいります。また、ほくほくプラザでは、人権教育推進の拠点として事業を推進してまいります。

 福祉の充実についてです。

 まず、物価高騰などにより生活への影響が懸念される世帯への国の給付措置については、円滑な実施を図ってまいります。

地域福祉の充実については「みんなで支えあい えがおで 共に暮らすまち 北栄町」を基本理念とする北栄町地域福祉推進計画に沿って、重層的支援体制整備事業など地域共生社会の実現に向けた取組を推進するとともに、令和7年度からの次期計画の策定を進めてまいります。

 高齢者福祉の充実については、北栄町介護保険事業計画・高齢者福祉計画に基づき、地域包括ケアシステムのさらなる充実を図ってまいります。

 特に、認知症施策については、オレンジガーデニングプロジェクトや啓発映画上映会の開催、認知症講演会の開催など、認知症への理解を図ってまいります。

 また、障がい者福祉の充実については、北栄町障がい者計画などに基づき、障がい福祉サービスの提供体制の確保に努めてまいります。

 健康づくりの推進については、第3次健康ほくえい計画に基づき健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいります。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、健康診査、がん検診などの受診率の低下や健康講座の開催の減少が見られます。このため令和6年度から健康診査・がん検診の受診券を、すべての対象者に送付することとしました。

 さらに、セット健診やがん検診の休日健診及び医療機関での実施、1度に健康診査・胃がん・肺がん・女性のがん検診が受診できる日の設定、スマートフォンなどで集団検診の予約ができるシステムの導入などの環境整備をすすめ、受診率の向上、疾患の早期発見、早期治療につなげてまいります。

 また、健康推進員にご協力いただき各自治会への健康講座開催の働きかけや地域に根差した健康づくり活動を展開し、生活習慣の改善の取組を強化します。

 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施では、データに基づいた保健事業、介護予防事業等により健康寿命の延伸と医療費の抑制を進め、糖尿病性腎症をはじめとした生活習慣病重症化予防のための保健指導を推進してまいります。

 医療体制の確保については、懸案となっております由良地区の医療機関の誘致等や、現在進んでおります医院の事業承継につきましては、県、医師会等と連携して取り組んでまいります。

 男女共同参画の推進については、第4次男女共同参画基本計画に基づき、「性別にとらわれることなく社会のあらゆる分野において誰もが輝く町」を目指して取組を推進してまいります。

 続いて、「安全で持続可能なまちづくり」について申し上げます。

 環境にやさしいまちづくりの推進です。

 ここ近年、「地球沸騰化」の時代と言われるほど、世界中で異常な気温上昇等が起き、大雨、台風、干ばつなどの災害が発生しています。

 北栄町では令和5年度に脱炭素ロードマップや環境基本計画の改訂を行いました。脱炭素や資源循環の取組を通じて、健康で快適な生活の実現や地域内経済循環の活性化など地域課題の解決につながるよう取り組んでまいります。

 また、環境にやさしいライフスタイルの転換に向けて、引き続き町民、事業所への普及促進を図ってまいります。

 省エネ対策等については、これからの環境水準を満たす住宅を増やすため、自宅等の断熱改修補助金を拡充します。また、再エネ導入では太陽光発電や蓄電池の導入、地域・家庭でエネルギーの見える化を進めます。

 町の公共施設で使用する電気について、北栄町などが出資した株式会社鳥取みらい電力が提供する、実質再エネ率100%の電気に切り替えたことで、町が排出する二酸化炭素排出量は6割近く削減できる見込みとなりました。令和6年度内には事業所や家庭へも電力供給を始められることから、町内の脱炭素化がさらに進むと見込んでいます。

 また、取組の加速のために、脱炭素先行地域への申請について、倉吉市、琴浦町等と連携し、認定を目指してまいります。

 ごみの減量化と適正処理の推進については、令和6年度から軟質プラスチックのリサイクルをスーパー等への回収ボックス配置により開始します。また、中部地域の1市4町等とサントリーの連携により、山陰地方で初めてペットボトルからペットボトルを作るボトル toボトルの取組も始めるなど、資源循環を促進します。

 北条砂丘風力発電所については、引き続き安全な運営に努め、令和7年度末の事業廃止に向けた準備を進めるとともに、これまでの取り組みを振り返り、脱炭素の重要性を町民のみなさまに伝えるためのイベントを開催します。

インフラの整備についてです。

交通基盤の整備、維持管理については、通学路の安全確保や浸水対策の必要な町道を社会資本整備総合交付金事業等により計画的に整備してまいります。

それ以外の町道や橋梁等につきましても、損傷の程度を随時把握し計画的に修繕してまいります。

なお、山陰道北条道路、地域高規格道路北条倉吉道路については、引き続き一般国道9号「北条道路」整備促進期成会などの活動を通して国、県に早期完成に向けて要望してまいります。

また、北条川放水路工事に伴う地盤沈下対策については、地盤沈下が終息に向かっていることから、「終息宣言」を見守りつつも、地元に寄り添って引き続き、県に対して誠意ある対応を求めてまいります。

そのほかに由良川、北条川の維持管理や海岸の侵食対策、県道の維持管理についても引き続き、県へ要望してまいります。

  次に上下水道の整備・維持管理についてです。

水道事業については、今後も安定した配水と安全な水道水を提供するため水道ビジョン(令和6年3月月完成)に基づき、老朽管の布設替え工事や水源地等の施設管理を着実に実施してまいります。

下水道事業については、1年間の減免措置が終了し、新料金の適用が始まりますが、町としましてもより効率的な事業運営を進めてまいります。

北条島地区の農業集落排水施設については令和7年4月の公共下水道への接続をめざし、整備を進めてまいります。合併処理浄化槽については、令和6年4月1日から企業会計へ移行します。

加えて、下水道の広域化・共同化推進業務など、県や関係自治体と共同で検討を進めてまいります。

 町営六尾北団地については、令和5年度末で用途廃止します。4月1日時点で29世帯が定住予定です。空き家については、政策的な活用と公募による売却で地域の活性化につなげてまいります。

 安全なまちづくりの推進については、防災行政無線の告知放送を自宅にいなくても、スマートホンなどで音声や文字で受け取れる「防災アプリ」の導入ほか、町からの告知放送をAI音声で行う「音声合成システム」を導入します。

 B&G財団の支援を受け災害資機材の導入や防災倉庫の設置、避難所訓練などをすすめてまいりましたが、引き続き、ドローンや油圧ショベルなど資機材の操作研修・訓練等を行い、事業の目的である防災拠点の充実を進めます。

 また、道の駅ほうじょうについて、防災道の駅として、備蓄品の整備を行うほか、広域防災拠点としての整備については、県の構想を踏まえ、北栄町にとって最善のものとなるよう協議を行ってまいります。

 このほか、防災士の養成、自主防災組織の育成などにつきましても、引き続き、取組みを進めてまいります。

空き家対策といたしましては、引き続き、北栄町空家等対策計画等に基づき倒壊のおそれのある危険な空き家等に対し適正な指導を行うとともに、除却を推進し、安心安全な地域づくりを推進してまいります。また、町内事業所の従業員住宅など新たな活用を図ってまいります。

 地域の公共交通については、交通弱者対策として引き続きタクシー利用料助成券事業を実施してまいります。特に、Aコープ下北条店閉店の影響を受けている地域の方については、助成券を追加交付することにより、買物環境の維持を図ってまいります。

 また、町民の大切な移動手段であるバス路線等の維持のための支援を行うほか、住民有志で助け合い、移動支援サービスを行う共助交通を支援し、その普及を図ってまいります。

 続いて、「人と人とのつながりを育むまちづくり」について申し上げます。

 地域活動の推進、まちづくりへの参画推進について、北栄町自治基本条例に基づく開かれた町政運営のため、町報やホームページ、SNS等を活用し積極的な情報提供に努め、住民参画とコミュニティー活動を推進し、町民、事業者、コミュニティー、行政それぞれがお互いの理解と信頼関係の下で協働によるまちづくりを推進してまいります。

 学びを通じて様々な行政課題の解決に向けて主体的・実践的に取り組む場、ほくえい未来ラボについては令和6年度は「地域×(かける)観光」をテーマに、暮らしと観光の両立や地域が稼げる仕組みづくりを検討してまいります。

交流の推進については、友好交流協定を締結しております台湾台中市大肚区と青少年交流を再開し、引き続き滋賀県湖南市とさらなる交流を進めるとともに、東京都港区をはじめ他の友好自治体とも交流を進め、地域間連携の強化を図ります。

 移住定住の促進については、北栄町に住みたい、住み続けたい、ふるさとを大切にしたいと思っていただける支援を行い、移住定住を推進します。引き続き住宅を取得する若者の支援などに取り組んでいくほか移住相談を行い、北栄町の魅力のPRや移住に結びつく具体的な提案を移住者に向けて発信します。

 また、地域おこし協力隊についても、引き続きその活用を図るとともに、将来の定着に向けたサポートを行ってまいります。

関係人口との協働については、多様な人材がもつノウハウや人のつながりを活かして町の課題解決や価値の向上を図るため、引き続き地域活性化起業人や複業人材の活用を進めます。

 最後に、「健全な財政運営」について申し上げます。

行財政改革の推進については、北栄町DX推進計画に基づき、自治体情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及、行政のオンライン化について、引き続き取り組みを進めてまいります。防災や農業など地域のDXについても引き続き取り組んでまいります。

また、目指すべきは単なるデジタル化ではなく、住民生活の向上であるとの観点から外部人材との協働のもと、書かない窓口の導入検討などを進めてまいります。

歳入確保に向けた取組です。

自主財源の柱となる町税については、適正、公正な課税を行い、信頼される税務行政のため高度な徴収体制の維持、向上に努めてまいります。

 町の大きな収入源となっておりますふるさと納税については、引き続き地域活性化起業人を活用し、魅力ある返礼品を増やすための開発支援や企業版ふるさと納税の取組も進め自主財源の確保に取り組んでまいります。

 また、過疎対策事業債や国、県の各種の支援制度については、必要な事業について有効に活用し、町の将来的な負担の軽減を図ってまいります。

 以上、令和6年度の主な取組をご紹介いたしました。北栄町まちづくりビジョンの部門別計画に沿った政策を積極的に展開し着実な成果を上げることにより、町民の皆様とともに「人と自然が共生し、確かな豊かさを実感するまち」の実現のため、未来を見据えた持続可能なまちづくりを推進してまいります。