施政方針全文
(令和7年3月4日)
本日ここに令和7年3月定例会を招集し、令和7年度当初予算をはじめとする諸議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の町政運営に臨む所信の一端と重点施策の概要について御説明申し上げ、町民の皆様並びに議員の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
私は、町長就任以来、「持続可能なまちづくり」を掲げ、町政運営の指針である北栄町まちづくりビジョンの実現に取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症や、災害の激甚化、インフラの老朽化、物価高騰など、新たな課題への対応についても、国・県の支援、関係人口、デジタル技術などを活用し、取り組みを進めてまいりました。
道の駅ほうじょうは建物が完成し、隣接する北条JCTの建設とともに注目を集めています。地域産品を活用した商品作りも着々と進められています。
青山剛昌ふるさと館には、国内外から多くの観光客が訪れ、コナン通りにも観光客を対象とした店舗が増えるなど、町に賑わいをもたらしています。
また、地域の住民と、関係人口が結びつくことで、由良宿桜祭りや、EI!FES、鳥取中央育英の高校生による農産物PR動画など、既存の祭りをさらに盛り上げたり、新たな賑わいを作る動きも生まれてきました。
「いま中部で一番元気なまちは北栄町」との声も聞かれるようになりました。
国においては、10月に念願の石破内閣が発足、地元選出の赤澤代議士が、経済再生担当大臣に就任されました。地方創生2.0の推進、交付金予算の倍増など、今、鳥取に大きな追い風が吹こうとしています。
一方で、数年来の諸物価の高騰、深刻化する担い手不足、地球環境や国際情勢、社会の急激な変化は止まる気配がなく、町民の暮らしに大きな影響を及ぼしています。
私は、令和6年度「変化を豊かさに」をテーマとして、良い変化を生かすことはもちろん、災害や物価高騰といった望ましくない変化についても、契機として備えや見直しを行うことで、将来の町民の幸福や持続可能な豊かさの実現につなげることを目指してまいりました。
令和7年度に、北栄町は町政施行20周年を迎えます。人に例えれば成人として、独り立ちしていく年齢となります。これまでの歩みを大切にしながらも、町を取り巻く変化を踏まえ、町民の暮らしを守り、希望のもてる未来への礎をつくる「次の20年への基盤づくり」を令和7年度は掲げ、町政の運営を行ってまいります。
1つには、道の駅ほうじょう、山陰道・北条湯原道路、青山剛昌ふるさと館などの町の大きな変化を生かして、町の豊かさを育む取組です。「ほくえい未来創造プロジェクト」として石破内閣の次世代交付金を活用し、農業や観光などまちの強みを生かした地域経済循環の活性化、住みたくなるまちづくり、住み続けたくなるまちづくりを進めてまいります。
2つには町制施行20周年を契機とした、誇りを育てるまちづくりです。農村づくりの第一人者である明治大学の小田切徳美氏は、地方の衰退の最大の要因を「誇りの空洞化」であると述べています。
10月1日の北栄町20周年にあわせて記念式典を開催するとともに、本町の誇るべき文化財の特別展、すいか・ながいも健康マラソン大会へのゲスト招致など、町民が町の魅力に触れる機会を増やすとともに、町民あげて20周年を祝う雰囲気づくりを進めます。
3つには、地域で稼ぐ力の強化です。「道の駅ほうじょう」については北栄町、そして地域の農業の魅力を発信する施設として適切な運営に努めてまいります。
また、農商工分野における人手不足への対応として、国が進める「地域の人事部」を県内で初めて実施し、地域の産業を担う人材の確保・育成・定着に取組んでまいります。
観光においては青山剛昌ふるさと館の再整備工事に着手するほか、関西万博への来場者を対象に、県・近隣市町村等と連携して「名探偵コナン鳥取ミステリーツアー」等を開催し、地域の魅力の発信や北栄町への誘客を行います。
4つには、安心して暮らせるまちづくりです。
団塊の世代が後期高齢者になり、医療・福祉の持続性確保が大きな問題になる2025年を迎えます。住み慣れた地域で安心して暮らせる地域共生社会の実現にむけ、地域包括ケアシステムの充実、健康寿命の延伸に向けた取組を継続してまいります。
マイナンバーカードや免許証を活用した書類作成支援「書かない窓口」を導入し、町民のみなさんの負担の軽減に取り組みます。
休日・夜間の小児科オンライン診療の取組を試験的に導入し、小さなお子さんのいる家庭の不安の軽減を行うとともに、医療機関の支援補助金の充実を図り、医療機関が進出しやすい環境づくりを進めます。
5つには、子どもや若者の未来を育てるまちづくりです。
安心して子育てできる北栄町に向けて、校内教育支援センターやスクールソーシャルワーカーなどによる支援の充実を図るほか、令和8年度のこども子育て支援センターの設置にむけ議論を深めてまいります。
鳥取中央育英高校の魅力化として、旧町営住宅を活用して寮の整備を行うほか、町内の中・高校生が地域に魅力を感じるイベントを開催します。
中央公民館大栄分館の再整備に向け、施設の活用についてほくらぼを活用し「交流をはぐくむ未来につながる町の拠点」づくりを進めます。
6つには、移住・定住促進への取組です。
地域への定住拡大に向け、二世代同居に係る住宅の改修について支援制度を創設します。
従来からの関係人口の取組を深化させ、移住定住への裾野の拡大を図るため、二地域居住の推進を図ることとし、計画の作成や体制づくりを進めます。
以上、取組の重点について申し上げました。その基本は、まちづくりビジョンに掲げる「人と自然が共生し 確かな豊かさを実感するまち」の実現であります。令和7年度においても引き続き、まちづくりビジョンの推進による持続可能なまちづくりを力強く進めていく所存です。
それでは、第2次北栄町まちづくりビジョンの部門別計画に沿って令和7年度当初予算等における主な取組について申し上げます。
最初に、「地域資源で稼ぎ賑わうまちづくり」について申し上げます。
本町の基幹である農業の振興については、生産者のみなさんの声を聴きながら、大栄西瓜や長芋・ねばりっこ、らっきょう、そして北条ブドウをはじめとした農産物の産地活性化に向けて、国・県と連携し、園芸施設整備や機械導入を積極的に支援してまいります。
また、将来に向けた持続可能な産地を見据えて、県・JAのほか生産組織とも連携し、新規就農者や後継者の確保に取り組むとともに、本町自慢の農産物の魅力を広く発信するために、販売促進・販路開拓等を支援してまいります。
農業、農村が持つ多面的な機能を将来にわたり発揮していくために、各集落における農地・水保全管理事業を支援し、保全管理を後押ししてまいります。
また、農業用水利施設については、関係機関との連携のもと、適正な管理に努め、安定利用を推進してまいります。
森林管理については、砂丘地及び防砂林の松くい虫被害について、徹底した防除・伐倒駆除を行うとともに、防砂林等の再生について、有効な対策を検討し、砂丘地農業を守ってまいります。
商工業の振興については、事業者のニーズや商工行政懇談会等での意見を踏まえ、経済の好循環を生み出す効果的な施策につなげてまいります。
また、担い手不足が進行する中で、将来にわたって稼げる地域を構築するために、町・商工会等が連携して「地域の人事部」を組織します。知見のある都市部人材を活用しながら、良質な雇用の拡大や町内企業の認知度向上を図る取り組みにより、地域における人材の確保・育成・定着を進めてまいります。
小売業・宿泊業をはじめとした企業進出や創業の機運を後押しし、稼ぐ機会を創出してまいります。宿泊施設の誘致についても、アドバイザーの知見を活かし、引き続き取組を進めてまいります。
ほくほくカード事業では、買物などを通じた経済の地域内循環を図るとともに、公式ポイントの付与を通じて町民の健康づくりや地域福祉活動、行政活動への参加を後押ししてまいります。
観光の振興については、青山剛昌ふるさと館の令和9年オープンを目指し、造成、建築工事などに着手します。また、ふるさと館のオープンを見据えて、観光商材の開発調査やツアー造成などに取り組み、町の稼ぐ力を強化します。
コナン通りの修景整備として新たなカラーオブジェを設置し、成長し続ける観光地づくりに取り組みます。
関西万博においては鳥取県中部の魅力のPRを行うとともに、名探偵コナン鳥取ミステリーツアーにより、本町への集客を図ってまいります。
続いて、「生涯学び未来を育てるまちづくり」について申し上げます。
未来をつくる教育の推進については、教育大綱における基本目標も踏まえて事業を展開してまいります。
教育環境の充実については、タブレットの更新を行い、授業でのデジタル機器の活用による「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実による学力の向上を目指します。
不登校対策として、令和6年度に大栄中学校に設置した「校内教育支援センター」を北条中学校にも設置し、支援の充実を図るとともに、ケアなど支援を必要とする子ども達に、一人ひとりの状況に応じた最適な支援ができる体制を充実してまいります。
学校給食では、食材の購入価格の高騰が続いていますが、令和7年度においてもこの増額分を町が負担し、保護者の負担緩和を図ってまいります。
地域を支える人材の育成については、学校や家庭を含む地域社会全体で将来を担う子どもたちへの関わりづくりとして、「家庭教育12か条」や「あいさつ運動」を推進するとともに、地域学校協働活動の充実を図ってまいります。
また、出前講座については、ニーズに沿った講座となるよう充実に努めてまいります。
生涯学習活動の推進については、中央公民館において仲間づくりや生きがいづくりなどの講座を開催し、町民の教養の向上を図ってまいります。
図書館では、読書の推進はもとより、幅広い世代の人が集い交流できる図書館、気軽に何度でも訪れたくなるような図書館を念頭に、魅力化を図ってまいります。
また、中央公民館大栄分館の建替えについては、ほくえい未来ラボでの提案を設計に反映させ、新たな学びと交流、防災の拠点となることをめざし、令和8年1月には現公民館の解体工事への着手を予定しています。
子育て支援の充実については、妊産婦、子育て世帯、こどもへの一体的に相談支援を行うこども家庭センターの令和8年度の設置に向け、検討を進めてまいります。
結婚、出産、子育てに安心、喜びを感じられる環境づくりでは、妊娠期や出産期における面談を実施し、必要な支援サービスへ確実につなげでいくとともに、子育て支援センターの利用を進め、妊産婦が子育ての中で孤立しない環境づくりを進めてまいります。
また、出産時のほくほくカードポイントの給付や、小中学校の入学時の祝金給付により、子育て家庭の経済的負担の軽減を図ってまいります。
子育てと仕事の両立支援です。
町立こども園については、発達段階に応じたきめ細やかで連続する保育・教育の推進に取り組むとともに、適切な修繕工事などを行い良好な環境の維持に努めてまいりますとともに、延長保育、病児・病後児保育、休日保育、放課後児童クラブなどの保育サービスを適切に実施してまいります。
大栄こども学級については、大栄小学校に隣接する勤労者体育センター跡地へ移設し、児童が安心して通い、安全に過ごすことのできる居場所を提供します。
文化・芸術の振興については、「文化の薫るまち北栄町」として北栄町美術展をはじめとした北栄文化回廊や公民館まつりなどを開催します。
特に、町制施行20周年企画として、北栄みらい伝承館で町内の文化財を紹介する企画展を開催するほか、文化財の保存・活用を進め、地域の特徴を知り、郷土への愛着心を育む取組を実施します。
次に、スポーツの振興については、町制施行20周年企画として、すいか・ながいも健康マラソン大会にゲストランナーを招聘します。
また、北栄町、倉吉市を会場として開催される全国高等学校総合体育大会の自転車ロードレースにむけ開催準備を進めてまいります。
北栄スポーツクラブやスポーツ推進委員と連携し、町民の健康寿命の延伸や地域のコミュニティづくりにつながる活動を推進してまいります。
鳥取中央育英高校の存続に向けては、地域ぐるみで高校の魅力化を進め、入学者の増加を目指します。
さらに、若者が夢や価値観を表現し、地域で成長していくような機会を創出し、若者の活躍と将来地域を支える人材育成に取り組みます。
次に、「誰一人取り残さないまちづくり」について申し上げます。
人権教育の推進については、「個性を認め合い 互いの心に寄り添う町」の実現に向け、関係機関と連携した取組を進めてまいります。ほくほくプラザでは、人権教育推進の拠点として多くの方に関わっていただきながら、事業の充実を図ってまいります。
こどもたちの人権学習事業を再編し、体験を通じて、人権尊重の視点をもちながら、郷土に誇りや愛着をもてる取組を実施してまいります。
福祉の充実についてです。
地域福祉の充実については令和7年4月からスタートする第2期北栄町地域福祉推進計画に基づき、誰もが住み慣れた地域で、ともに支えあい、安心して暮らし続けられる地域共生社会の実現に向け、重層的支援体制整備事業など取組を推進してまいります。
高齢者福祉の充実については、北栄町介護保険事業計画・高齢者福祉計画に基づき、住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの充実を図ってまいります。
また、障がい者福祉の充実については、北栄町障がい者計画などに基づき、障がい福祉サービスの提供体制の確保に努めてまいります。
健康づくりの推進については、第3次健康ほくえい計画に基づき健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいります。
疾患の早期発見、早期治療につなげるため、1度に健康診査と各種がん検診が受診できるフルセット健診の日を増やします。
大腸がん検診については、検診受診日に検体提出や代理受診を可能にするなど、より受診しやすい環境の整備や受診勧奨を行います。
高齢者を中心に発症する帯状疱疹については、国の定期接種化に伴い接種費用の助成に取り組みます。
また、健康推進員や食生活改善推進員とともに地域に根差した健康づくりを展開し、生活習慣改善の取組を引き続き推進します。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施では、データに基づいた保健事業、介護予防事業等により健康寿命の延伸と医療費の抑制を進め、生活習慣病重症化予防のための保健指導、口腔機能維持や低栄養予防などのフレイル予防を推進してまいります。
医療体制の確保については、令和6年度は北条地区で1件の事業承継がありました。令和7年度は、県の支援の充実が実現したことから、引き続き医師会などと連携して、誘致を図るとともに、具体的な動きがありましたら民間診療所新規開設継承支援基金などを活用し、懸案となっております由良地区の診療所開設にむけた支援を進めてまいります。
また、中学生以下のこどもを対象とした夜間休日オンライン診療の試験的導入を行い、子育て世帯の安心の確保を進めてまいります。
男女共同参画の推進については、第4次男女共同参画基本計画に基づき、「性別にとらわれることなく社会のあらゆる分野において誰もが輝く町」を目指して取組を推進してまいります。
続いて、「安全で持続可能なまちづくり」について申し上げます。
環境に優しいまちづくりの推進です。令和6年度の暑さは、期間も長く、健康被害が心配されるほどの酷暑となりました。
災害の激甚化もすすみ、昨年9月には奥能登を豪雨が襲い、能登半島地震から立ち直ろうとしていた被災地に追い打ちをかけています。町として、引き続き、脱炭素ロードマップや地球温暖化対策実行計画に基づき、脱炭素に取り組み、気候変動対策を積極的に進めます。
エネルギーを含めた地域内の資源の循環に取り組み、地域内経済循環の活性化、ごみの減量化・適正処理、健康で快適な生活の実現など地域課題の解決につなげる取組を官民連携で進めてまいります。
海洋ごみ問題につながるごみのポイ捨て防止、飼い主のいない猫対策に愛護団体などとともに取り組み、人と自然・動物が共生できるまちづくりも進めてまいります。
また、ほくえい未来トークや環境CFOから出された意見を活かしてライフスタイルの転換に町民、事業者とともに取り組みます。
脱炭素先行地域については、現在国に申請を行っているところですが、鳥取みらい電力にともに出資している倉吉市、琴浦町等と連携し引き続き進めてまいります。
北条砂丘風力発電所については、令和7年度末のFIT期間終了に向け、引き続き安全な運営に努めてまいります。
インフラの整備についてです。
全国で、インフラ施設の老朽化が原因となった大きな事故が発生しています。町将来にわたり安全に利用できるよう施設の管理、更新のための事業を実施してまいります。
交通基盤となる道路の整備、維持管理については、通学路の安全確保や浸水対策の必要な町道を社会資本整備総合交付金事業等により計画的に整備してまいります。それ以外の町道や橋梁等につきましても、損傷の程度を随時把握し計画的に修繕してまいります。
供用開始時期が延びることとなった山陰道北条道路については、引き続き整備促進期成会などの活動を通して国、県に早期完成に向けて要望してまいります。
河川関係については、県管理河川である由良川、北条川の適正管理が図られるよう県に対し必要な要望を行ってまいります。北条川放水路については、工事に伴う地盤沈下の収束が確認された中で、県がこれから進める最終補償の動向を見守りつつ、町として引き続き地元に寄り添った対応を行ってまいります。
このほか法定外水路についても改修整備を進め、適正な管理に努めます。
次に上下水道の整備・維持管理についてです。
公営企業として財政状況の健全化を図りつつ、施設の維持管理や工事実施を進めます。
水道事業においては、老朽化が進む管渠の布設替え工事や水源地等の施設管理を適正に実施していくとともに、検針実施を外部委託にするなど事業運営についての見直しを図ってまいります。
下水道事業においては、北条島地区の農業集落排水事業を令和7年4月より公共下水道に接続統合し事業運営を行ってまいります。加えて、下水道事業の広域化・共同化推進業務など、県や関係自治体と共同で検討を進めてまいります。
安全なまちづくりの推進については、防災行政無線の告知放送を、スマートフォンなどの音声や文字で受け取れる「防災アプリ」の運用を開始します。
B&G 財団の支援を受け導入したドローンや油圧ショベルなど資機材の操作研修・訓練等を行い、防災拠点の充実を進めるほか、備蓄の強化・更新、防災士の養成、自主防災組織の育成の取組みを進めてまいります。
地域の公共交通については、交通弱者対策として引き続きタクシー利用料助成事業を実施してまいります。また、Aコープ下北条店閉店の影響を受けている地域の方については、助成券を追加交付し、買物環境の維持を図ってまいります。
栄地区へのコンビニエンスストア誘致についても、引き続き取り組んでまいります。
町民の大切な移動手段であるバス路線等の維持のための支援を行うほか、住民有志が助け合いながら行う移動の仕組みを持続可能なものとなるよう支援し、その普及を図ってまいります。
続いて、「人と人とのつながりを育むまちづくり」について申し上げます。
地域活動の推進、まちづくりへの参画推進について、北栄町自治基本条例に基づく開かれた町政運営のため、町報やホームページ、SNS等を活用し積極的な情報提供に努め、住民参画とコミュニティー活動を推進し、町民、事業者、コミュニティー、行政相互の理解と信頼関係のもと、協働によるまちづくりを推進してまいります。
ほくえい未来ラボについては、令和7年度は「新たな公民館の活用」をテーマとし、新たな大栄分館が「交流を育む未来につながる町の拠点」となるよう町民研究員と活用方法を検討してまいります。
交流の推進については、友好交流協定を締結しております台湾台中市大肚区との青少年交流のほか、引き続き滋賀県湖南市とさらなる交流を進めるとともに、東京都港区、埼玉県横瀬町をはじめ他の友好自治体とも交流を進め、地域間連携の強化を図ります。
移住定住の促進については、住宅を取得する若者の支援などに取り組んでいくとともに、移住相談会などを通じて町の魅力のPRや移住に結びつく具体的な提案を発信します。
また、北栄町への移住定住の拡大を図るため、二地域居住の計画を策定するとともに、受け入れに向けた体制の整備を行います。
関係人口との協働については、多様な人材がもつノウハウや人のつながりを活かして町の課題解決や価値の向上を図るため、引き続き地域活性化起業人や複業人材の活用を進めます。
最後に、「健全な財政運営」について申し上げます。
行財政改革の推進については、北栄町DX 推進計画に基づき、自治体情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及と更新など、デジタル技術の活用による効率化について、費用対効果を注視しながら、取り組みを進めてまいります。
歳入確保に向けた取り組みについては、自主財源の柱となる町税について、適正、公正な課税を行い、高度な徴収体制の維持、向上に努めてまいります。
ふるさと納税については、魅力ある返礼品の開発支援や企業版ふるさと納税の取組を進め、自主財源の確保に取り組んでまいります。
また、過疎対策事業債や国、県の各種の支援制度については、必要な事業について積極的に活用し、町の将来的な負担の軽減を図ってまいります。
特に、今般創設された「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を有効に活用し、今後3年間集中的に「稼げるまちづくり」「住みたくなるまちづくり」「住み続けたくなるまちづくり」の取組を展開してまいります。
以上、令和7年度の主な取組をご紹介いたしました。北栄町まちづくりビジョンの部門別計画に沿った政策を積極的に展開し着実な成果を上げることにより、町民の皆様とともに「人と自然が共生し、確かな豊かさを実感するまち」の実現のため、未来を見据えた持続可能なまちづくりを推進してまいります。