議員研修報告 !!

平成27年10月27日~29日(2泊3日)
全議員で先進地視察研修に行きました。

視察先

  • 鳥取県八頭郡八頭町
    有限会社ひよこカンパニー 
     6次産業化の取り組みについて(直営カフェ・通信販売)
  • 大阪府柏原市
     カタシモワインフード株式会社 
     6次産業化の取り組みについて(地域協働の取り組み)
  • 大阪府泉南市
     ハートランド株式会社 
      6次産業化の取り組みについて(農福連携)
  • 京都府綾部市
    綾部市役所  
     水源の里の取り組みについて
  • 兵庫県香美町
     香美町役場 
     ふるさと教育の取り組みについて

 

6次産業化の取り組みについて(直営レストラン・通信販売)

有限会社ひよこカンパニー (大江ノ郷自然牧場の挑戦) 

 平成6年、代表小原利一郎(29歳)が養鶏2,000羽からスタート。「平飼い」「独自飼料」「栄養」「鮮度」「安全」にこだわった卵「天美卵」を即日発送し、全国18万人の顧客に1個100円での販売を中心に事業展開している。平成12年、「ひよこカンパニー」を設立。平成20年、自力で「ココガーデン」を整備し、規格外卵の有効利用策としてスイーツを加工販売。この施設は、平成25年、6次産業化補助金の活用でリニューアルし、山と水田に囲まれた田舎にありながら、年間10万人の来客で賑わっている。現在3鶏舎で3万5千羽を飼育し、100人を雇用している。地域との共生を大切にし、地元生産者と連携して、地域の活性化に取り組んでいる。

 飼育にこだわり、卵が高価であっても、安心でおいしければ消費者に受け入れられる。「6次産業化」の深さを痛感し、起業者が如何に目標を掲げ、強い気持ちで事業に取り組むことができるかが成功の鍵となる。

 
ココガーデンの外景  ココガーデンの内装
 ↑山間に位置する直営カフェ(ココガーデン)。平日でもお客様で一杯です。

6次産業化の取り組みについて(地域協働・耕作放棄地対策)

 カタシモワインフード株式会社

 (地域協働の産地復活への取り組み)

 

 明治初期にぶどうを導入し、日本一の産地として、大正3年からワイン醸造開始(101年前)。しかし、昭和40年以降、都市化と農家がマンション建設などに走ったことで、ぶどう栽培が減少し、耕作放棄地が増えた

 昭和52年、4代目社長高井利洋(26歳)が「日本一のぶどう産地の風景を取り戻したい。50年かかっても合名山の山頂までぶどう畑にする。」と、大きな目標を掲げ耕作放棄地の解消に向けて、地域協働で畑を管理し、ぶどう栽培の拡大により地域が活性化している。また特色ある栽培、ボランティア・企業・地域が一体となっての取り組みは、マスコミに大々的に報道されている。

 本町も、北条砂丘にぶどうを導入してから100年経過の歴史を有する。現在ある醸造用ぶどうの実証圃場をどう生かすか。砂丘地は耕作放棄地が年々増えることが予想される。実証圃場に続けて、ぶどうの団地化を図り、ワイナリーの取り組みまで検討してはと考える。そのためには、栽培者・付加価値を高めることに長けた人・商品の販売に長けた人・行政と、大いに検討を重ね、それぞれの果たす役割を明確にし、具体化してはと考える。そして本町のほかの資源(オートキャンプ場・白砂青松)の活用、体験農業、青山剛昌ふるさと館のお客さんとの相乗効果、ツーリズム北栄を目指した総合的な活性化が期待できる。 

 


ワイン畑に設置されたテラス ワイン貯蔵庫

 ↑

 ワイン畑にはテラスが造られ、イベントに使用されます。(ぶどうの下で食事とワイン)

 また、貯蔵庫(国の登録有形文化財)の中でテイスティングができます。

 

(3)6次産業化の取り組みについて(農福連携)

 ハートランド株式会社

 (企業の障がい者雇用における農福連携) 

 「障碍者に就労の場を提供するとともに、安全・安心な野菜の生産を通して、年々担い手や耕作面積が減少している農業の復活に貢献できる事業の実現をめざします。」と紹介にあるように、文具のコクヨ株式会社の子会社として平成19年から操業開始。

 障がいのある人を正社員として雇用しており、生き生きと作業している様子が印象的であった。ガラス温室で生食用ほうれん草の水耕栽培を行い、種まきから収穫・選別・袋詰め・箱詰めまでを行っている。自分の能力に合った作業が根気よくできるための工夫、例えば計量器の数字を大きく表示したり、箱に仕切りを作って数の管理をしたりする。経営的には、コクヨ本社の支援がないと成立しないとのことであったが、地域貢献(障がい者施設との連携や高等支援学校の生徒受入など)をポイントにカウントして本社から支援を得ることになっている。

 また、ほうれん草の生産は毎日行われるが、日々の生産量は温度により変わるため、夏場は多く冬場は少ない。そのため、全量処理するための作業時間は日々異なるが、全社員が同じ時間に出社、退社をするシステムにしてあり、障がいのある人の送迎を可能にしている。

 障がい者雇用への理解をもった企業が増えれば、大きな資金力を背景に障がい者の社会参加が進む。そのためには、社会的な後押しが必要であると感じた

  ハートランド株式会社 http://www.kokuyo.co.jp/heartland/ (20151216日)

作業風景 計量風景

 ↑根気良く作業を進める従業員の皆さん。

(4)水源の里の取り組みについて

京都府綾部市 

 (水源の里の取り組み、限界集落古屋の再生)

 京都府で一番小さな限界集落といわれている古屋集落(男1人と85歳から91歳の女5人の村)。前市長の「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」との呼び掛け・提案が、水源の里の取り組みとして提案され、1年かけて検討協議して取り組みを決めたとのこと。最後のチャンスとの思いで真剣に取り組んだ様子が、唯一の男性、渡辺和重さんの言葉から伝わってきた。

 村起こしの中心は「とちの実」を活用したとちの実おかきやとちの実あられの製造と販売。80歳を超えても毎日朝5時から仕事をするというおばあちゃんの「今が一番幸せ」の言葉には、「最大のいじめは無視すること」との渡辺さんの言葉にも通じる。とっても素敵な人生である。

 ボランティアが集まり、自主応援組織「古屋でがんばろう会」が立ち上がり毎年600人ものボランティアが押し掛けてくる。そして自らが自主的に動くというボランティアの究極の形を提案してもらったように思った。

 「GENKAI」から A(あきらめ) を取ると 「GENKI」になる

 との説明はとても素晴らしい言葉であり、今後広めたいと感じた。

 村おこしのキャッチフレーズに使える。地域おこしの原点は、「1人は皆のために、皆は1人のために」の思いが大切である。

 

 綾部市出説明を受けている様子 綾部市では、京都府で一番小さな集落「古屋」代表にお話をうかがいました。

(5)ふるさと教育の取り組みについて

 香美町教育委員会

  (ふるさとに学び 夢や志を抱き ふるさと香美を大切にする人づくり)

 香美町は香住町・村岡町・美方町が平成17年4月に合併して誕生。兵庫県の北部に位置し、日本海と1000メートル級の山に囲まれ、兵庫県一位の面積(369平方メートル)を誇る。海岸線のカニに代表される海産物と山林と和牛の産地として、さまざまな特産品のある町である。

 「香美町ならではの教育の挑戦」というテーマで担当課から説明を受けた。10の小学校と4の中学校があり、5年後の小中学校のあり方(統廃合問題)について、現状を維持するとの明確な方針が出されていることにまずびっくりした。

 香住漁港を有するという地域の特性を生かし、全小学校において、魚の三枚下ろしを学ぶなど、「ふるさとに学び 夢や志を抱き ふるさと香美を大切にする人づくり」を、各校で実践している。

 町独自の方策で町を愛することのできる子どもたちを育てる教育に取り組んでいる。目先のことではなく、何十年か後の町の繁栄が楽しみである。

 

 

視察風景  集合写真

個人ごとの研修報告はこちらをご覧ください。(PDF)