2050年脱炭素社会実現に向け、町の基幹産業である農業分野における省エネ推進・再エネ導入の方法や仕組みを検討し、具体的な実践や関係者の連携構築を目指すことを目的に意見交換会を開催しました。

日時

12月19日(月曜日) 13時30分~15時30分

会場

大栄農村環境改善センター

内容

現在作成中の脱炭素ロ-ドマップの進捗状況などを説明し、脱炭素を手段とする農業分野での関わりについて意見交換しました。会では、共同乾燥施設の脱炭素化、用排水路やため池の有効活用などについて提案をいただきました。出された意見は、可能な範囲で脱炭素ロ-ドマップに反映する予定です。

エネルギーの使用状況について
  • ハウスはほぼ加温していない。(ボイラーを使っていない)加温しているのは育苗、花で10軒未満。
  • カントリーやらっきょうの乾燥施設にボイラーなどはある。大規模の施設は農協の持ち物。→取り組みには特に農協への働きかけが必要と思われる。
  • トラクターなどの農業機械や軽トラなどが排出源。農家が所有しているエンジンのついた機械は一軒で10台程度ある。町全体でまとめると、ある程度の量になるのでは?
  • 大量にエネルギーを使う施設は積極的に省エネや再エネ導入を行い、それに比べてエネルギーの使用が少ない個々の農家はできることをそれぞれがやっていく方針がいいのではないか。
  • 軽トラの1日の使用距離は5~10km程度。別に乗用車を持っている人の使用距離はもっと少ない。
    圃場の見回り程度なら軽トラじゃなくてもできる。例えば屋根付きの乗り物など。
農地等での太陽光について
  • ソーラーシェアリングについては、営農が優先事項。両立はむずかしそう。
  • 砂地でのソーラーシェアリングは?
    ながいもは夏から、らっきょうは冬から栽培するが、砂地では栽培期間が長く、太陽光が減ると栽培期間がさらに長くなるかもしれない。
  • 遊休農地や耕作放棄地では?
    遊休農地の不利地は非農地化をすすめている。灌水設備のある農地や集団農地は転用できない。
    北条砂丘土地改良区が管理している灌水設備が更新時期になる。農地活用の検討の機会。
  • 垂直型太陽光・風力について
    太陽光は東西方向に向けて設置することで朝夕の時間帯に発電できる。松枯れで困っている防風林の代わりになるのでは。道路の防風などにも。地域課題の、強い風の対策になるのでは。
  • ため池に太陽光設置することで水利組合の収入につながるのでは?
    排水路や排水川の上に太陽光設置を検討してはどうか。川がどこの管理なのか、系統への接続など課題がある。
  • 土地改良区のポンプ場などに太陽光を設置、売電収入を利用料等に充てることができれば利用者の負担軽減が期待できる。
スマ-ト農業について
  • スマート農業がどう脱炭素に結びつくのか?→見回りの頻度が減ること、肥料の量が減ることなどで脱炭素につながる。
  • スマート農業に適した作物が少ないのでは。スイカはセンサーによる温度管理に適しているが、その他の野菜は作物の手入れや収穫でたびたび畑に行くので、効率化の恩恵が少ない。
  • 水田では大規模化により効率化、農家・農機の圧縮も起きている。水田での水の管理をスマート農業化はできるが、コストが高い。
  • シェアトラクターなどの取組もある。(昔、役場でも実施したが使用状況の良し悪しなど課題があった)
運輸関係について
  • 個人出荷している農家がまとめてトラックを頼む共同出荷も一部行われている。
  • 下北条駅・由良駅での貨物列車の活用を考えたらどうか。公共交通の利用促進現実としては集荷・冷蔵コンテナ・場所の整備など問題がある。
その他
  • 最近、ハウスが増えている。ハウスの被覆素材のPOフィルムは石油由来。POフィルムをリサイクルやCO2から作ることができたらいい。

農業分野関係者意見交換会