由良川の水制工

水制工の画像その1

 中世の頃郷原と呼ばれた由良の村は低湿地帯のため、洪水による地形の変動も激しかった。北条川と合流する由良川河口は海抜も低く、中国山系吹きおろしの風と大潮も吠える浜風におさえられて、河口は浜続きとなり、汽水の逆みずを起こして蛇谷川近くの左岸の姿を変え瀬と淵をつくった。

 郷原の沼を一夜にして池に変えた民話は広く世に知られている。江戸時代、舟着場付近の下流に木枠の番杭が造られ、逆波と舟運の安全が保たれたが、明治の大水害によりその姿を失った。

 平成7年にふる里の川整備計画の認可を受けて、水制工の改良と復元が水深2.3メートル付近に施工された。

 石積水制工3箇所。1箇所当たりの石材は石径平均30センチメートル程度、96立方メートル。木枠水制工4箇所。1箇所当たりの松丸太は杭24本、横木12本、延長11メートル、横幅1.5メートル。

 水制工は平成8年に完成し、河川を保全しながら流域の文化を育てている。 

 

水制工の画像その2

 木枠水制工